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恋〜いつか出逢ったあなた〜

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/09 13:45:14

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「気が合っただけでは?俺にはそんな特殊能力はない。」

「…正宗さんに習ったんじゃ?」

織がカウンターに乗り出して、正宗さんに小声で聞くと。

「私は何も。」

正宗さんは低い位置で手を上げて答えた。


まあ…正解だ。

俺が習ったのは…甲斐さんからだ。

ここで、正宗さんに見守られながら…だが。

正宗さんは、特に何も口出ししていない。


今日、織と知花さんの間で『別居』というワードが出たら、お互いが素直になれるよう暗示をかけた。

そう。

ただの、暗示。


「お二人で過ごされていた時、護衛の身であるにも関わらず、お嬢さんに手を出してしまおうとはお考えになられなかったのですか?」

「ぶっ…」

織に薄いピンク色のカクテルを差し出しながら、正宗さんが言って。

つい、ふき出してしまった。

「まさか。環はずっと、あたしの事子供扱いしてたものね?」

織は笑いながらカクテルを一口飲んで『美味しい』と小さく言った。

「おや、それはおかしいですね。私が万里と紗耶から聞き間違えたのでしょうか。」

「…正宗さん。あの二人が何を言ったのか知りませんが…」

「えっ、何それ。聞きたい。知りたい。」

「……」

織が、俺の腕を両手で掴んで。

「教えて?」

首を傾げた。

「教えて…って…」

あまりにも織が可愛い言い方をしたもんだから…なのか?

「そりゃあ…出逢った時、織は15歳だったから…子供扱いもしてしまうよ。」

「…環はいつもクールで、ロボットみたいって思ってた。」

「ロボットって。」

「だって、なんでも出来ちゃう人だったじゃない。」

「それは、努力の賜物。織も二階堂に慣れようと必死で頑張ってただろ?」

「…うん…」

「あの姿を見て…心を打たれない男は、二階堂にはいなかったよ。」

「……」

…酔ったのか?俺は…

「…ほんとは…織が海を妊娠した時、言いようのない気持ちのやり場に困って…道場の壁を壊した。」

「え…えっ?」

「早乙女君がどんな人物かを分かってからは…もう、それはなくなったし、俺には織の護衛という役目を全うするという決意しかなかった。」

「では、手は出されなかったのですか?」

「……正宗さん。」

こんな事を喋るなんて…おかし過ぎる。

正宗さん。

まさか俺に何か…

「…私はお邪魔のようですね。少し席を外しましょうか。」

ニコニコしながらそう言う正宗さんに、俺は立ち上がって。

「神君に視えた物を教えてください。それと…昔の事で何かご存じなのでは?」

目を見て…言った。

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