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恋〜いつか出逢ったあなた〜

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/08 19:30:24

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「いらっしゃいませ。」

「こんばんは。」

「…お久しぶりです。お嬢さんにお会いできるなんて、光栄です。」

二夜続けてのプラチナ。

桐生院で晩食をいただいて、海をそのまま残して…

俺と織はプラチナへ。

「正宗さん、変わらないわね。」

織は正宗さんに笑顔を見せた後、店内をぐるりと見渡して。

「懐かしい。ここも変わらないわ。」

もっと…笑顔になった。


「夕べ、三人で飲んだ話をしたら拗ねられてね。」

俺の言葉に正宗さんは小さく笑って。

「ご学友の集いのようでしたからね。」

「あっ、そんな言い方したらまた…」

「ぶー……」

織は唇を尖らせてブーイング。

ふっ…俺の妻はなんて可愛いんだ。


三人で乾杯をして、俺は…少し汗をかく羽目になった。

突然織が、初めて二人で出掛けた時の事を話し始めたからだ。


「海の検診に出掛けたのに、このまま二人で出掛けて来いって。母さん、着物なのに運転して帰っちゃって。」

「それで、どちらにお出掛けに?」

「買い物に付き合ってもらったの。花柄のワンピース、買ってもらっちゃった。」

「それはいい思い出ですね。」

「すごく楽しかった。こっちに来てずっと…楽しむ事を忘れてるような気がしてたから。」

「……」

織のその言葉に、正宗さんも俺も…無言になった。

15歳で生い立ちを知り、違う世界に連れ込まれてしまった陸坊と織。

俺には…ただ見守る事しか出来なかった。


「そう言えば、ご出産までの期間は頭と『二人きり』で生活なされてたのですよね。」

ふいに正宗さんが意味深に…『二人きり』を強調して言った。

「…ほぼ毎日のように、舞も来ていたが?」

俺がやんわりと笑いながら言うと。

「朝晩はお二人だったのでしょう?お嬢さん、ご無事でしたか?」

正宗さんはほんのり笑顔のままで、織に問いかけた。

「え?何が?」

「おやおや、お嬢さん。まさか何もお気付きじゃなかったのですか?」

「正宗さん。」

「え?何?」

「…織、今日は楽しかったか?」

「盛大に話を逸らしましたね。」

「え?え?」

「正宗さん。」

おい…おいおいおい。

いくらもう古い話だとは言え…俺が人生最大に純粋だったあの頃の話を…

正宗さんがどうして持ち出す!!

グラスを揺らしながら目を細めて正宗さんに熱い視線を送ると。

「今日は少し冷えますか?」

正宗さんは暖房の温度を少し上げた。

「…環。」

「なんだろう。」

「あたしと知花ちゃんに、何かしたでしょ。」

「…何かとは?」

「だって、あたし…ほぼ話した事のない子に、あんなに自分の気持ちを喋るなんておかしいもの。」

て事は、たくさん喋った…と。

二階堂では昔々に使われていた術を…人助けの一環として、少しだけ導入してみた。

俺が使う術なんて、ほんの細やかな物だ。

それに、誰もがかかるわけじゃない。

自分の中に抑えつけている物がある。

それでいて、とても心根の優しい…純粋な人物。

心根の優しい純粋な織と知花さんに、それがかかったのは嬉しい事だが…

抑えつけている物がある…

織もそうだったのかと思うと、そこは少し反省だ。

もっと思いやらなくては…

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