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漆黒の王女.92

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2016/10/08 16:24:26

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『ひひひひひっ、、、あれは、見物だったなぁサガン兄。


【アナタ、アナタ、ユルシテ。ワタクシハタダタダ、アナタノオソバニイタカッタノ。アイスルユエダッタノ】


【ウルサイダマレ、ハジサラシメ。キサマモアノミドリノアカゴノモトヘ、ワタシガツレテイッテヤル】』


ガルバのふざけた口真似。サガンの口を歪ませながらの笑み。

耳を塞ぎたい、目を塞ぎたい、両手の自由がないから叶わず、顔を背けるしかなかった。

サガンはなおも抑揚なく続ける。


『、、、王は王妃の首を、、、私達は最後まで見届ける事は出来なかったが、、、

数日後、王妃が亡くなったと知らせが回り、、、王は悲しみのあまり衰弱して数年後に命を終えたと聞いた、、、

、、、裏切りに気が触れて自分を保てなくなったのだろう、それを知っているのは私達兄弟だけ、、、

夫婦もろとも、私を捨てた罰が下ったのだ、、、くっくっ。

こうしてひとり残されたダルフォンが若き城主となって、十五年ほど時が過ぎた、、、

その間、城とのやりとりはガルバに一任して、私は森を出て世界を回った、、、世界は広かった、、、私のような同色人種が沢山いた、、、

とても穏やかに時は流れた、、、私の憎しみも次第に小さくなった、、、



ところがある日、ガルバから知らせが来た、、、

母の目の具合が大分悪くなり、加えてある事情で城内での仕事を頼まれてくれないかと言われ、母を放っておけないしどうしたらいいだろうかと。

とにかく私は詳しく話を聞こうと、一度森へ帰ることにした、、、

すると話はこうだった、、、

ずっと独り身だったダルフォンが妻を迎え、同時にお腹に新しい命が、、、

その為、城の人手を増やしたいと人員募集をかけているというのだ、、、

その声がガルバにも掛かったのだが、盲目寸前の母を置いて城に籠ることは出来ない、、、

城中に雇われた者は、許しがない限り勝手に抜け出しなど出来ないのだ、、、そして許しがおりる事もほぼほぼ無い、、、

それはユリシーナ、お前もよく知っているはずだな、、、?』


サガンの問いかけに、私は重々しく顔を上げた。

そうだ、漆黒城の存在を世界から隠す為の古いしきたり。

漆黒の一族含め城の中を知った者は、生涯を懸けて城の為に尽くす、城を置いて旅立つなどもっての他だと、、、

私はそう聞かされ育ったし、ザザも、、、時々家に帰りたいと零す度誰かにそう諭されていた。

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