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Hypnotic

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/06 19:42:58

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家の前に着き、浅野君の背中から手を離して下りた。
前かごに入れていた鞄と袋を浅野君が取り上げて渡してくれた。


「今日はホントにありがと…」

「別に、礼言われるほどじゃねーし」

悪ぶる彼はどこか恥ずかしそうにも見えた。


「明日、迎えにくるから。寝坊すんなよ」

「浅野君のほうが遅刻ばっかしてんじゃん!浅野君が遅れたら私も遅刻になっちゃうよ」

「そうなったら一緒にサボる?」

「サボらない」


不安が残る約束ではあったけれど、浅野君はそう言いながら来るんじゃないかと思った。
村上先生が言っていた、素直な部分を、私も何となく感じ取ったからだ。


街灯に照らされる彼の薄茶の髪が風に揺れ、浅野君は「じゃーな!」と帰って行った。




家に入ったら、「あおいちゃーん」と弟の凛太が駆け寄ってくる。

「ただいま、凛太」

いつものようにハグしていたら、
「なによ碧、遅かったねぇ」
と母がキッチンから顔を出したが、私の服装を見てすぐに眉をひそめた。

「何その服?制服はどうしたの?」

「…美術で汚れたから着替えたの、お風呂入っていい?」

「いいけど…あっ、凛太!早くご飯食べちゃいなさい!」


ご飯中に帰ってきたので、食事の途中で玄関まで迎えに来てくれた3歳の凛太。

手を焼く事もあるけれど、とてもかわいいと思っている。母は仕事以外の時間は凛太の世話で大変そうだが。



すぐに制服を手洗いしてから、ドライコースで洗濯機をセットする。
その間にお風呂に入ろうと浅野君の服を脱ぐ。
さっきからずっと私をふんわりと包むこの香りに、心が落ち着くのを感じた。

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