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恋〜いつか出逢ったあなた〜

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/07 08:24:00

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あたしが少しだけ涙ぐむと、織さんは小さく笑って。

「でも…その時、あたし妊娠したの。」

「…え?」

「空…長女。」

空さん…

光史の弟で、整形外科医のわっちゃんのお嫁さん。

「もちろん両親からは『誰の子だ』って問い詰められて…当たり前よね。相手が誰か言えないの、二度目だもん。」

「……」

二度目…そっか…

織さんは誰にも言わなかったけど…陸ちゃんはセンの存在を知ってたから…織さんの最初の妊娠の時、センの事殴ったって言ってたっけ…

「あの…」

「ん?」

「陸ちゃんがセンを殴った…って聞いたんですけど、環さんは?」

話が逸れちゃうかなって思ったけど、聞きたいと思って問いかけると。

「陸がセンを殴った話は、どこから?」

織さんは、目を細めて…少し笑いながら言った。

「あ…二人から…あたしが千里に内緒で出産するって決めた時に…」

「ああ…そっか…知花ちゃんもノン君達を産む時は、秘密だったんだっけ…」

それはきっと、陸ちゃんから聞いたのかな…って思った。

織さんと陸ちゃんは、本当に仲がいい。


「…陸はセンの事を殴ったクセに、環の時は協力的だった。たぶん…環が二階堂の人間だったからだと思う。」

「そうなんですか…それでも環さんはアメリカに?」

「ええ。もう…環の事はあきらめて、父親の言う通りお見合いして結婚しようって思った。そうすれば、お腹の子の父親が誰か…なんて聞かせずに済むと思って。」

「…環さんの子供って言っちゃダメだったんですか?」

「環は二階堂でもすごく期待されてた人なの。それでも…護衛だったんだものね。いくらあたしが押し倒したって言った所で、環の理性や二階堂に対する忠誠心は何なんだって言われちゃうの。」

「……」

…あたしも千里に内緒で出産したから…気持ちは分かるけど…

大きな組織を継ぐ立場でのそれは、とても…とても勇気も覚悟も必要だったはず。


「えっ…知花ちゃん…?」

あたしの涙腺が決壊したのを見て、織さんが驚かれた。

「だって……恋しただけなのに…」

「あっ…でも、でもね?結局は…空の命名式の日に、両親が見合いをしろって連れて来た相手が環で…もう、それからは幸せにまっしぐらだったの。」

幸せにまっしぐらって聞いても…

あたしの涙は止まらなかった。

大好きな人の赤ちゃんが自分の中にいるのに…

違う人と結婚するって決めて、出産した織さん。

その10か月の間…どんな気持ちで…?


あたしは…渡米して妊娠が分かって、千里の赤ちゃんだと思うと嬉しくてたまらなかったけど…

その反面、思い悩む事も多かった。

とても…

「…知花ちゃん。」

織さんは、立ち上がってあたしの隣に来ると。

「…どうして、離れてるの?」

優しく…頭を撫でながら聞いてくれた。

「……」

「好きなら、一緒に居ればいいのに。」

「……」

好きなら、一緒に…

…うん。

そうなんだけど…

「…あたし…本当に…鬱陶しいぐらい…彼の事が好きで…」

「うん…」

「嫌われたくないな…って思い始めて…」

「……」

「そう思う事で…自分を隠すようにもなったりして…」

本当…バカ。

「だけど…健康診断で引っかかったり、咲華が志麻さんと別れて旅立ったりした時に…」

「……」

「違う自分でいるのは、ダメだ…って思って…」

あたしがそう言って…うつむいた時だった。


突然、織さんが…

あたしを、ガシッと抱きしめた。

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