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【小説】ボク恋~完結編~(BL*R18)

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まさかの…【265】

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テーマ:小説 > BL

2016/10/07 19:27:35

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★ボクはそれでも恋をする★       





カナカナカナカナ………


「リキ、ひぐらしが鳴いてるよ」


リキを背中に感じながら、お湯につかって
いた。自分の前に回っている手に手を
重ね、肩越しに振り返る。


「どうした?」

「ボク、しあわせ」

「ああ、俺もだよ」

「こんな穏やかで、温かいしあわせが
ずーっと続けばいいのにね」

「そうだな……」


タクミは再び前を向き、沈みゆく太陽に
目を細める。


「なぁ、タクミ」

「ん?」

「大学を卒業したら、どうするんだ?」

「前に言ってたひまわりの家に養護教員と
して就職するつもりだったんだ」


タクミの話が過去形なのに疑問を持つ。


「何か不都合でも?」

「う~ん。ボクとタクマさんがお世話に
なった新井さんって人が、転任になって
たの。でね、ボクはその所長だった
新井さんの元でタクマさんと約束した
療育とかがしたかったんだ」

「そうなのか。ちなみにその新井さんって
人はどこに転任になったか知ってるのか?」


タクミがリキに振り返り、こう言った。


「新井さんは北海道へ転任になったの」


リキは驚きのあまり、お湯を揺らした。


「北海道?」

「うん、北海道。ちょっと過疎化してる
土地って聞いたよ」

「その人を追いかけるって選択はないのか?」

「ん~、それは今、考え中。ボクが北海道へ
行ったらリキと遠距離恋愛になっちゃう
でしょ。それは淋しいし……」


リキはタクミの腰に手をかけ、体ごと自分の
方を向かせた。


「わぁっ」

「タクミ、聞いてくれ」

「うん」

「俺、北海道へ転勤が決まってるんだ」

「は?」


タクミはきつねに抓まれたような気持に
なった。


「本当は原田リゾートを退職して、タクミを
一生支えて生きて行こうって思ってた。
でも、社長が……親父がそれを許しては
くれなかったんだよ」


リキはタクミの頬を両手でつつみ、瞳を
みつめる。


「でも、もういいなりになりたくなくて、
本社以外に転属を願い出た。あの人の直属の
部下はもう嫌だったんだ」

「リキ……」





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