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漆黒の王女.89

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2016/10/04 16:50:36

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『ほう、、、?記憶を失ったと聞いたが、取り戻したか?

憎きレグルス家の血と黒を真っ当に受け継いだ娘。ユリシーナ・レグルス』


私の言葉を聞いて、彼は歪んだ笑みを向けながらそう言った。

さらわれる前にも聞いたその名前は、確かに私の名であることを思い出した。

頭痛が少し引いて、薬の効力も切れてきたか意識が大分クリアになってきた。

それと同時に、封じられていた記憶が湧き水みたいに渾々と溢れる。

ここは私が住んでいたお城、、、この部屋は父が執務室の休憩場として設けていた隣の書斎。

そして私の目の前にいるこの人は、私の父、、、じゃない。違った。

父によく似ているが、父より若く見え、髪と瞳の色は、、、深い緑だった。


『サガン兄よ、こいつ、どうする?ひひひひひ』


今まで気付かなかった、私をさらった大男が部屋の隅でまた嫌な笑い方をして、腕組みで壁に寄り掛かりながら私を見ていた。


『まぁ待てガルバ。

本来ならこうして面と向かって話す事など無かったはず。

どうしてこうなったか、、、そこの黒い王女と話を照らし合わせてみようじゃないか』


サガンと呼ばれた、父によく似ている男は私に一瞥して、書斎のデスクに腰を沈めた。


『さてユリシーナ。

私は一刻も早くお前を消してしまいたい。

しまいたいが、、、お前は訳が分からないだろう。

あの時に消したはずの命がまだこうして在る、それに慈悲をかけてやろう。

お前の全ての質問に答える時間をくれてやる』


サガンはとても冷たい目をしていた。慈悲なんて言ってるがぬくもりは一切感じない。


「あなたは一体、、、

パパと同じ顔をしてる、あなたは一体何者、、、?」


優しい父と正反対の雰囲気を背負っているこの男に吐き気がして、苦々しく問う。

すると、サガンの口から信じられないような話が出たのだーーー





『ふ、、、っ。同じ顔か、、、?


同じ顔、、、


そりゃそうだろう、、、


私とお前の父ダルフォンは


双子で生まれてきた


しかしレグルス家は


黒を受け継いだダルフォンを城に残し


ーーー緑の異端児の私を捨てたのさ』

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