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Hypnotic

17歳の寄り道。

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/03 21:07:16

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「…ま、いいや。白川が困っていることはわかったよ。じゃあ、入部届取りに行こう」


空き教室を出て、村上先生の後ろをついてゆく。先生は足が長いから、歩くのが早い。

職員室前で、村上先生は手を出して制した。

「待っていて、すぐ取ってくるから」



先生と行き違いに出てきたのは、前に目が合った3年生。
あっ、と思っていると、その人もあっと私に気付き、「2年の白川碧だ」と、不躾な声を投げかけてきた。


「そうですけど…」


普段、わりと笑顔でいようと努めているが、無礼者には牙を剥いてしまう。
私が警戒している事に気付いたその人は、ぐいぐい近づいてきて距離を詰めた。


「びびってんの?かわいいなー」

「……びびってません」


じろじろと舐めるような視線はセーラー服の胸に移り、慌てて鞄で胸元を隠す。

どういうわけか、平らだった胸が去年あたりからぐんぐん育っていて、今つけているブラジャーのサイズも合ってはいない。
母にも胸がサイズアップしたと言えなくて、ずっとBを着け続けている。

そういう所を気にしているから、義父がお風呂の時に洗面所をうろつくのはとても嫌なのだ。



その3年生は、まだニヤニヤ笑いながら、今度は私の顔を舐めるように見て、肩が触れるほど近づいて言った。

「碧ちゃん、遥と同じクラスだよな?」

「ハルカ…?」

「浅野。浅野遥」


ああ、と、深く納得した。
この先輩と浅野君は同じジャンルの人だ。


「浅野君…一緒ですけど」

「俺、あいつと仲いいの。今度みんなであそぼーよ」

「遠慮します」

「瞬殺かよ」

その先輩はべっと舌を出し、不満そうに両手を広げた。

そこで職員室のドアが開き、村上先生が入部届を持ち戻って来る。
先輩は、先生が来たせいか、口笛を吹きながら去っていった。

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