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Hypnotic

藤田先生と千晴編。

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テーマ:小説 > 男女関係

2016/10/02 21:08:36

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手前にある椅子に腰掛けたら、村上先生も前の椅子を引いて座り、頬杖をついて私を見た。

「ついでに聞いとくよ。何で家帰りたくないの?」


さっきの言葉は聞き流されてはいなかったんだ。

少しだけ救われた気持ちになった。


ハンカチを膝の上で握りしめて、メガネの奥の先生の瞳を見つめる。
私は誰かに話を聞いてもらいたかったのだろうか。


「誰にも…言わないでくれますか?お母さんにも…」

先生は頬杖をやめて、体を私の方に向けて座り直した。

「ああ。言わない」

「大した話じゃないんです、全然…」

そう切り出した私は、村上先生に全てを話した。
言葉に出すと、心がどんどん軽くなって、村上先生の相槌にもたまらなく嬉しくなり、最後にはこう話していた。


「居場所がなくてつらい……」


これが本心だったのかと自分でも驚いた。

村上先生は、じっと耳を傾けてくれたあと、大きな手で頭を撫でてくれた。

話し過ぎてしまった、「もっとつらい状況の人間はいるぞ」と言われたらどうしよう、甘いと叱られたら…

そんな不安など掻き消されるほど、先生の手は安心できた。


手が離れたら、先生は一つ提案をした。

「天文部入れば?俺顧問だし、夏と冬の合宿はあるけど、活動は自由だよ」

「女の子は……」

「二人いるよ。普通科の1年が。あとは浅野も入れてやろうと思ってる」

「えっ…」

入部やめとこうかな。

私のリアクションを見て、村上先生がくっくっと笑う。

「浅野と一緒は嫌なんだ」

「だ、だって浅野君嫌なこと言うんだもんっ」

「白川のこと好きだからでしょ。いじめたいんだろ、ガキだな」

えーーー
仮に好きだとしても、その相手に、お前はみんなのオナペットだとか言う???

理解に苦しんでいたら「俺も天邪鬼だから、浅野の気持ちはわかる」と村上先生。



村上先生の印象が変わった。
中学でもこんな先生はいなかった。

生徒の気持ちに寄り添ってくれる先生だ。

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