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ユキさんのブログ

新春すてきな奥さんがたまらん (〃▽〃)♡♡

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高校3年生 始まりと卒業の集合

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/03 09:44:42

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「栗原、好き嫌いせんで食いよっか?」

立食パーティーの可愛い学食
また挨拶やら乾杯やらあって
やっとご馳走にありついたとこ

「ほら、エビ」
「竜崎先生、店長くん会いました?」
「店長くん?
 あぁ、アイス屋の店長か
 まさか知り合いとは思わんかったな」
「店長くんさすが竜崎先生の教え子ですね」
「なんがや?」
「野球センス抜群だなって思ったから」
「何ば言いよっか」
照れてる
ちょっと笑って目をそらす
初めて電話した時の竜崎先生思い出したら

笑える



「かなちゃん、こちら事務長の山岡さん」
「よろしくお願いします」
「体育学部の富原先生」
「よろしくお願いします」
下條先生に何人も紹介されて

「あ、金子くん」
「下條監督、おめでとうございます」
「どうもどうも」
「いやいやいや、下さい!」
工業大の金子監督は
私をクルッと自分の横に置いて
「ただでとは言いませんよ」
冗談ぽく悪代官みたいに笑った
「大金積まれても無理だな〜」
「もっと早くナンパしとけばよかった!」
「いいだろ〜」
「この子が来た時の佐伯の顔
 ちょっと驚いたね〜」
「ほんと僕の目に狂いはなかった」
「自慢ですか!」
「うん自慢」
金子監督の方が年上かと思ってた

「あ、村田監督」
「このたびはどうも…」
って
あちこちでニコニコして挨拶して
だいぶほっぺも凝ってきたし
トイレにサボりに行ったり

トイレもまた可愛い
丸いモザイクタイルがいい
家建てるなら絶対使う
トイレを出たとこにある虹の絵も素敵


「お嬢さんおひとりですか」


こんな場でナンパする人もいるのね

「またお持ち帰りですか?」
「制服脱乱すのもいいな」
「変態」
「あのさ…」
「酔っぱらってないから~」
「あのさ!」

なに?
なんか急な真面目顔のドラ息子

「手伝ってやるよ」
「何を?」

「お前らの…日本一」

へ?

「何言ってんの…」
「は?何だよその言い方」


「俺たちの…でしょ!
 手伝うじゃなくて一緒にやるの
 ちばっちはもう数に入ってまーす」


「あっそ」
素直じゃないな〜
「さ、そろそろお開きにすっか~」
嬉しそうな顔なのに

「ちばっち楽しみっち?」
「はあ?」
「嬉しいっち?」
「お前喧嘩売ってんのか」
「私は嬉しいっち」
「はいはい」

ニコニコして挨拶してたらお開きになった落成記念パーチー

ほとんど食べられなくて
あとでラーメン行きたかった

監督はというと
ある程度挨拶してまわったら
後藤とヒロリンとたっちゅんと
なんか生徒の一人みたいに一緒に遊んでいた




「さ、練習しよ〜」
「バットあんの?」
「あるある〜」
まだまだ挨拶合戦の続いてる会場
3人で抜け出してまたグラウンドに戻った

2人は制服の袖を捲って
またアップシューズに履き替えて
軽くストレッチしてキャッチボールして


「どっちから行く?」
2人でじゃんけん

「イエーイ!俺から!」

後藤が両手を上げて喜んだ

私がホームでバットをもって
後藤はサードについて
ヒロリンはファーストについた


「かなちゃん!」

打とうとしたその時
一塁側の出入口で深く頭を下げる下條先生

顔を上げたら私たちを見て笑った

スーツの上着をベンチに置いて
ネクタイを外して
シャツの袖をまくり上げた

「いい?」

「お願いします!」

バットを渡して
ボールを渡して

「後藤いくよ!」

「お願いしまーーす!」


下條先生が打った最初のノックは
サード線に強く転がって

丁寧に捕球した後藤は
真っ直ぐノーバウンドでファーストに送った

それはいつも通りで
いつも通りの後藤で
なのになんか

別の人みたいだった

「いいね、綺麗だった」

後藤は嬉しそうに笑って
でも少しだけ

泣きそうな顔をした




「後藤くんグラブ貸してくれる」
「はい!」
下條先生はそれをつけて
「ヒロリン内野用だから手加減してね」

ヒロリンにマウンドを指して
ホームに座った


「ヒロリンはこっちでしょ」


マウンドに立ったヒロリンは
ロジンバッグの代わりに土を指先につけて
右手を振って余計な力を振り落とした

足型のない新品のプレートに足を着いて
フッと少し息をついたら
ゆっくり振りかぶって

真っ直ぐな白球の直線を


パンッ!


投げた


「いいね、ナイスボール」


ヒロリンは手のひらを見つめて
その手をギュッと握って笑った

何度も見たヒロリンの投球
いつもと同じでいつもと違う


これは明稜のヒロリンで

明稜の後藤だった



「今日は程々でやめようか
 制服だし怪我したらいけないし」
何球かそうした後
下條先生はベンチに戻って
バットをケースに立てた



「集合!」


響く後藤の声


一瞬驚いた顔をした下條先生は
にっこり笑ってベンチの前に立った


「いっぱい足跡つけたね」

集合した私たちの顔を見て
その目線はグラウンドを見渡した



「今日の君たちの笑顔を…」

1人ずつの顔をしっかり見て


「忘れないよ」


下條先生の優しい顔が
また笑った


隣に立つ後藤が
何かを鎮めるように息を吸って
小さく吐いた


「今日の練習は終わり」

最初の土を踏むのが

今日の練習


下條先生が後藤を見て
後藤は姿勢を正した


「礼!」

「ありがとうございました!」


これが

最初の集合だった

下條監督を囲む最初の集合


下條先生は出入口で頭を深く下げて出た




「監督…」

三塁側の式典の椅子に座って
監督も竜崎先生も見ていた

下條先生は2人に何か言って
階段を上がって行って
監督と竜崎先生は三塁側の出入口から
丁寧に頭を下げて入った


その顔がこっちを見て笑って
ゆっくり歩いて来た



「お前ら制服泥だらけじゃん!」

後藤はもう我慢で来てなくて

「何泣いてんだよ」

泣き顔で
監督にいきなり飛び付いた


「な!何だよ気持ち悪いな!」
「監督ーー!」


「お前もホントすぐ泣くな」

監督は右手で後藤の背中を
トントンと叩いて

「お前も」

私の頭にぽんと左手を乗せた



「頑張れよ」




後藤にはきっとさっきの集合が
大きな一歩を踏み出した時で


明稜大野球部の始まりは

後藤と私が


監督から卒業した時だった

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コメント32

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  1. キャロルさん(46歳)ID:5355007・10/07

    ユキさん
    六平さん!!
    イケメンかと言われると微妙だけどイメージ合う〜!
    結構好きかも(笑)妄想しまーす!

  2. 詩織さん(27歳)ID:5353337・10/07

    ユキさん

    まさかの六平さんー!!!!!!笑
    怖すぎです笑

  3. ユキさん(32歳)ID:5353229・10/07

    キャロルさん
    結構人気者の竜崎先生はね
    六平直政さんのイメージ笑

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