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ユキさんのブログ

エンディング♪世界が終わるまでは〜♪のとこをYSB登場選手に置き換えると萌えてしまう

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高校3年生 ハンカチの匂い

しおりをはさむ

テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/01 20:08:06

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いつまでも
グラウンドから上がれなかった

かけっこしたり
ボールを投げたり
グラブでゴロを拾ったり

新品のアップシューズを土で洗って

最初の土に
楽しい野球を覚えさせるみたいに

私たちは笑った




「あ、呼んでない?」

ヒロリンが式典のあった三塁側の外を見た

下條先生や宮地先生が
テレビや新聞の取材を受けて
グラウンドの入り口は
まだ誰も入れないように閉じてあった

「あれ…何してんの」
「栗原さんのお母さん?」
「うん」
「さすがみえこさん
 すぐ喋りかける」
「ホント
 こっちの事情もあるのにやめてよ」
「何話してるのかな…」
ヒロリンのお母さんとうちのお母さんが
何か話してて
「巻き込まれてる」
「ホントだ」
先生もその仲間に引きずり込まれていた


「かなちゃーーーん!」
たっちゅんが呼ぶ
「声デカいし」
「あの人は…」
「あれはコーチになる予定」
「あ、そうなんだ」
「たっちゅん
 ほら、海大戦で先発投げたじゃん」
「え?!」
「いや、その兄ちゃん」
「そ、そうだよね…ビックリした
 本人なわけないよね」

「なーん!」

「昼ごはーーん!」

「やった!お腹すいた!」

ヒロリンと後藤はベンチで靴を履き替えた
グラブにボールを咬ませて
「このつるつるの床も
 スパイクでガタガタになるんだろうな」
「そうだね」
「おわ!水道ついてる!」
「これいいね」
「あとね、ここに扇風機付く」
「おお~!」


時間は予定より押して
来賓は大学の学食レストランに移動した
まだオープンしてないけど
立食形式でパーティーが用意されていた

「パーチー終わってからトンボ掛ける?」
「もうちょいやりてぇな~」
「ヒロリンすぐ帰るの?」
「向こうに帰るのは明日だけど
 お母さんが…」
「確かに」
「初ノックやりたくね?」
「私打ってあげよっか!」
「え…栗原さん打つの?」
「ある意味監督より容赦ない」
「ヒロリンお母様に頼んでよ〜」
「うん…」
そんなこと話しながら
三塁側見学席の方に戻った



「涼太…」


最初に目が合ったのは涼太だった

つい探してしまったのかな

涼太が笑うから
せっかく引っ込んでいた涙がまた溜まった


ヒロリンは覗き込むように私を見て笑って

私の背中を軽く押した


「涼太ーー」

毎日会ってるくせに
なぜか感動の再会
急に涼太が恋しかった

わかってる涼太は
いつもの事くらいに軽く私を受け止めて

「よかったな」

すぐ下ろして頭を撫でた


ヒロリンの前で
涼太に飛びついていいのか迷ったのを
ヒロリンはお見通しだったのかな

ヒロリンの前だから
涼太はすぐ離したのかな



「ヒロリン久しぶり」
「うん、久しぶり」
「やらかしたんだって?この人」
「あ…うんまぁ…」

「かな、さっきみえちゃんと
 話してるの聞いてたら
 そんな怒ってる感じじゃなかったぞ」
「そんなのお母さんの前だからでしょ!」
「あそっか」
「もうバカーー!」


「うぃーー」
「うぃー」
でた、よくわからない挨拶
「カズ、かなの前でそんな…彼女?妬くぞ」
「違わーい、栄江の彼女」

「「えぇぇぇぇ!」」

後藤と涼太のハモリ

「なんか悔しい」
「ほんと…何でだ」
「栄江くんね
 文香さんの前だとジェントルマン」
「初めまして、文香どす」
「わざわざ京都を作るな」
「いやや、柳田くんにもバレてる~」

「あ」
「え?なに?」
「そうじゃんみきは?!
 さっきみきいたよね?!」
「探検しに行った」
「あぁ近大に行く子?
 さっき紫藤先生言うてたわ」
「文香さんみきのことよろしくね!」
「せやな~
 まぁくんおらんしあそぼ」
「や…それは…」
「冗談よ~」
「今日栄江くんは?
 文香さんが来るって思わなかった」
「まぁくんは隆二くんちでお勉強
 2人ともな、合格するまで見らんて」
「そうなんだ」
「うちはな…
 どんなとこでまぁくんが野球するんか
 どうしても見ときたかったんよ」
「そっか…」
「さっきの3人で向かい合ってるのに
 勝手にまぁくんCGしてしもぉた」

「まぁくんはきっと…
 ここに来るんが楽しみやろな」


文香さんは寂しそうに笑った



「かなちゃん!」

階段の上からお母さん

「げ」
来い来いするから仕方なく
足取り重く見学席へ

「これからね
 予定もないっておっしゃるから
 深内くんのお母さんと
 お出かけしようと思ってるの」
「は?」
何を言ってらっしゃるの?

「大学の周りとか観光地とか
 少しぐるぐる回って来るわね」
でもお母さん
ふしだらな娘のせいで
怒らせてしまってますよ?

恐る恐る見ると
やっぱりご機嫌はよろしくなさそうで
怪訝な表情で私を見た

「さっきは…すみませんでした」
「いえ」

「ん?」
ヒロリンママは私の左手を見て
「その指輪…彼氏?」
「あ…えっと…」
ふしだらもいいとこ
左手に指輪を付けておきながら
お宅の息子さんの甘い匂いに酔いしれました

「あんまり大きな声で
 言えないんですけどね…」
ってお母さん笑いながら
ヒロリンママにこそこそ話して
そこで大きな子供たちと遊んでる先生を指した

驚いたように
バッとすごい勢いで先生を見るママ様

「まだ…高校生なのに」
「そうでしょ〜そうなんですけどね
 この子の人生なのに反対するのもねって
 まぁこれは相手にもよりますけどね」
「ええ…」

「この子の生きて行く道に
 心配はしても
 邪魔だけはしたくなくて」

そんな事考えての?


「野球に恵まれて幸せな子です」


お母さんはグラウンドを見渡した


「あ、もうかなちゃんったら
 すぐ泣くんですよ」
「だって〜…」


「広翔も…」


フワッといい匂いがした


「野球に恵まれた…幸せな子ね」


綺麗な赤いハンカチが
涙を拭いてくれた

お母さんとは違うけど
お母さんの匂い

ヒロリンのお母さんだもん


やっぱりね

ヒロリンとおなじように

優しい顔で笑うね



「広翔!」

お母さんが呼ぶとヒロリンは
笑ったままの顔でこっちを向いて


「自分でホテルまで帰れるわね?」

「え、うん…」


「お母さん遊んで来るから
 別行動にしましょ」
「え?」
「こっちにお友達が出来て
 よかったわね」


「こっちに来てからも…安心ね」


ヒロリンもヒロコンも驚いた表情を隠せず

「じゃあ行きましょっか」
「ええ」

歩き出した二人に
あっ気にとられていたヒロコンは
慌ててついて行った


「ヒロリン?」

「よかった…」

「え?」


ヒロリンは嬉しそうにとびきり笑って

私の頭をポンと撫でた

自然に当たり前に
ずっとそうしてきたように

それはなんだか
浮気心がトキメイタ


のに


「わぁ!ごめん!」


気のせいだった

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コメント23

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  1. ケイトさん(99歳)ID:5314549・10/02

    名言探しの旅、いいですねぇ( ´艸`)
    ほんと深いわー。ユキさんのお話。
    そしてこれを書いてるユキさんは
    みえこさんでありかなちゃんであるのでは…
    と、私は思ってますー( ´ー` )❤︎

    それにしても切ないなぁ。涼太。
    かなちゃんが先生一筋でブレないのが
    当たり前であり最高なんだけど
    邪道なのは承知で他の人と恋したら…
    バージョンも読んでみたくなっちゃう。
    いろんなハッピーエンドの妄想だけで
    ご飯何杯もいけちゃう(*¯艸¯)

  2. 詩織さん(27歳)ID:5312718・10/02

    ユキさん

    それ絶対入れます!!

    あと
    「下に向かうつらさと
    上に向かうためのつらさは
    上に向かう方がつらくないと思わない?」
    も!

    てかもっといっぱいありますよね!ちょっと名言探しの旅に出ます!笑

  3. ユキさん(32歳)ID:5311293・10/02

    レーナさん
    私もみえこさん憧れ〜
    いや目標(๑•̀ㅂ•́)و✧
    みえこさんみたいなお母さんになりたくて、でもかなちゃんみたいに可可愛くなりたい笑

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