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恋〜いつか出逢ったあなた〜

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/09/30 12:00:53

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We live through scars this time

But I've made up my mind

We can't leave us behind anymore

「……」

俺は組んだ足の膝に頬杖をついて、その様子を眺めた。

その様子。

沙都がテレビ収録をしている様子だ。


咲華が帰国した日に、沙都も帰国した。

どうやら向こうでは、海とシェアハウスをしているらしい沙都。

二人の結婚を知っていながら、秘密にしていただけならともかく…

本人たちより先にうちに来て、殴られるサマを眺めてたという…

「…可愛い顔して、酷い事しやがる。」

目を細めて独り言。


そんな俺から少し離れた場所で、沙都のマネージャーで華音の友人の曽根という男が、少しビクビクしながらこっちを見ている。

まあ、こいつが海が殴られる所を見ようと、沙都をたぶらかしたらしいしな。

…沙都のマネージャーになって、世界を回ってくれてる事には感謝するが。

それとこれは別だ。

すべてを知ってて、さらには俺たちに内緒にして、うちに泊まりに来るなんざ…いい度胸だ。

おまえ、ふざけんなよ。

しばらく無言で見ていると、曽根は手にしてた手帳で顔を隠しながら後ずさりをしてどこかへに消えた。


「あ、神さん…お疲れ様です。」

歌い終わった沙都が、俺を見つけて。

「聞きましたよ。来週末ライヴって。」

ギターを手にしたまま、やって来た。

「…ああ。」

「滞在期間伸ばしてもらって良かった~。来週末なら僕も行ける!!と思って、チケットおさえちゃいました。」

「……」

こいつは…

いつまで経っても、可愛い奴だ。


華音のバンドDANGERのベーシストだった沙都。

アメリカでデビューを果たして帰国した途端…ソロの話が持ち上がって。

ま、沙都に限ってそれはないよな…って誰もが思っていた所に…

まさかの展開。

沙都はソロで世界に出る事を夢見て…一人旅立った。


瞳の腹違いの妹、グレイスによって見出された沙都のシンガーとしての魅力。

それはあっと言う間に世界中に広がり、驚くほどの速さで沙都はスターダムにのし上がった。


…あの決断を下した時は…朝霧も憤慨して殴ってたが。

『どうも沙都には、ついつい甘くしてしまいがちで…』

なんて、ボヤいてる。

…分かる気がする。


「沙都。」

「はい。」

隣の椅子をポンポンとすると、沙都は少し笑顔になって。

「失礼します。」

ギターを持ったまま座った。

「…おまえ、ラブソング書く時に、いつも何考えてる?」

「え?」

「基本、ラブソングしか歌ってねーよな。」

「あ…はい…でも失恋の歌も多いですけど…」

「全部実体験か?」

「……」

俺の問いかけに、沙都はほんのりと胸を押さえた。

「そう…ですね。紅美ちゃんと過ごしてた楽しい時間の事とか…思い出を拾って書いてる事も多いし。失恋の歌詞も…自分で最悪だと思った日の事を思い出して、本音で書いてます。」

沙都は昔から紅美にベッタリだった。

なんなら二階堂の息子だと思われるぐらい、陸の家に入り浸りで。

『僕の紅美ちゃんが』なんて言いながら、紅美の事を付け回してた。

そんな『僕の紅美ちゃん』と組んでたDANGERを脱退してまで、ソロになった沙都。

世界中からの注目は得たが、紅美の気持ちは逃した。

どちらが幸せかなんて…

きっと、その時と今と後じゃ違う。

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