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恋〜いつか出逢ったあなた〜

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/09/29 22:22:01

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「……今日もスルーか。」

俺が小さくつぶやくと。

「え?何々?」

アズがわざわざヘッドフォンを外してまで聞いてきた。

「なんでもねーよ。それより…映。」

「は…はいっ?」

「2コーラスめのBメロは、最初のとパターン変えてくれ。」

「えーと…少し音数増やした方がいいですか?」

「ああ。出来れば上がってく感じ…そう。それでいこう。」


昨日、明後日までに二曲作る。とLINEしたが、あのまま勢いで朝までかかって二曲書いた。

それをルームに置いて帰ったら、わけもなく早く来た三人は…早速取り掛かってくれてた。

…ありがたい。


「めっちゃ壮大な曲だよねー。大サビの変調以降は、泣いちゃいそうだよ。」

アズが譜面を見ながらそう言うと。

「あそこを際立たせるためにも、前半はアコギが良くないか?」

京介が意見を出した。

「…なるほどな。」

顎に手を当てて考える。

今日は夕方からスタジオだが、それまでに入りたいと思ったものの…予約でいっぱい。

ルームで新曲のアレンジを練ってるんだが…やっぱり音を出したい。

「あと一時間か…」

時計を見て少しもどかしく感じてると…

「おーす。」

「元気かー?」

ふいにドアが開いて、朝霧さんとナオトさんが入って来た。

「あ、お久しぶりです。」

全員で立って挨拶をすると。

「聞いたで?」

朝霧さんが、嬉しそうに俺の胸をパンチした。

「え?」

「来週末、ライヴなんやてな。」

「ああ…はい。」

二人はアメリカの事務所に行ってて、向こうでその噂を聞きつけて戻って来た…と。

「新曲か?」

ナオトさんが、テーブルに置いてある俺の書きなぐった譜面を見て言った。

「聞いてくださいよー。これ、夕べ作ったって言うんですよー?それを来週末やるって鬼ですよねー。」

アズがナオトさんに泣きつく。

「は?まだ出来立てか?」

「はい。」

「ははー…おまえ、相変わらず無謀だな。」

ナオトさんは少し呆れた顔で俺の肩に手を置いた。

「ま、安心して歌に専念せえや。」

朝霧さんが、ナオトさんと反対側の肩に手を置く。

「…え?」

「ナッキーからお達しがあったんや。」

「そ。今回は千里をボーカルに専念させろって。」

「…は?」

「あー、ライヴ久しぶりやな~。」

「腕が鳴るぜ。」

「……」

俺はアズと京介と映と顔を見合わせて。

「…って、お二人…」

朝霧さんとナオトさんの顔を覗き込む。

「ああ、心配すんな。あくまでサポート要員やって。いっそ目立たんようやる。」

「そ。控えめに。」

二人は肩を組んで、ウキウキした顔。

…高原さん、色々勝手に決めてくれやがって…

でもこれは…助かる。


俺は二人に頭を下げて。

「…よろしくお願いします。」

そう言って顔を上げて…

「新曲…6曲あるんで、早急に覚えてください。」

口元を緩めて言った。

「…は!?6曲!?」

「そこの2曲やないんかい!!」

「これが先月から作りためた4曲です。」

俺が二人に、すでに出来上がってた4曲の譜面を渡すと…

「……」

「……」

二人は眉間にしわを寄せて。

「鬼か!!」

同時に…そう叫んだ。

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