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カッコいいけど、恋には臆病な十和。ガサツで女の子らしくない一瑚。 双子の恋愛模様

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十和 #12 一瑚の秘密

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/09/29 13:57:49

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「な、なに、それ」

僕は起き上がって、一瑚を見る。


「え?」

一瑚は一瑚で、僕の反応が意外だったのか、首を傾げた。


「おかしいじゃん、それ。
何で、一瑚が振られるって決まってるの?」
「いや、それは…」
「そもそも何で、あんな人と付き合ってるの? 何処がいーのさ」
「あんな、って…」

一瑚の声が掠れた。

それまで、僕は冷静じゃなかったけど、
一瑚は冷静だったのに。


あ、怒らせた。
と、思った時には遅かった。


「だから、十和には言いたくなかったの。
あたしが、誰と付き合おうが、何を考えてようが、
十和にいちいち言わなきゃいけないの? 
どーーーーーーっせ、十和にはわかんないのに!」

「どーっせって、何」

「だって、十和、女の子のこと、キライじゃん。
恋愛なんて、ばかみたい、って思ってるじゃん」

「……」

口に出したことはないけど、それは僕の本音。
あー、一瑚には見抜かれてたんだ、ってはっとなった。



「取り消してよ」

「何を」

「よく知りもしないで、あんな…とか言わないで」

「何…」

向きになってんだよ。



「だって、変な奴じゃん。
僕なんて今日…、まじまじと顔見られてさ。
一瑚に似てない、って言われたよ。おまけに」

「おまけに?」

「生徒会の選挙出ないかって。
意味わかんない。ほんと。
あれだよね、彼女の兄、からかいたかっただけ?」

わかってる、向きになってるのは、僕の方。

今まで知らない一瑚の表情に焦って、
置いて行かれそうな気持になって。


…そんで、わざと一瑚の気持ち削ぐようなことばっかり。



「性格悪いよね。そんで、お前は趣味悪すぎ」


一瑚の黒目が、みるみるうちに水を湛えて滲んでく。


「何、泣いてんだよ…」って、口を開こうとする前に。


パシっ。


頬に強い衝撃を受けた。



一瑚に僕は、思い切り平手うちされてた。



兄弟喧嘩なんてしょっちゅうしてきた。
手が出ることだって、お互いしょっちゅう。


だから、僕も遠慮も容赦もなく。


「何すんだよ…っ」

一瑚の肩を掴んで、その場に突き飛ばす。



あ、あれ?


一瑚と僕は同じ誕生日で、今も身長はほぼおんなじ。
体重も聞いたことないけど、多分、僕の方が軽いくらい。


なのに。


一瑚の身体は僕が拍子抜けするくらい、あっけなく
ベッドのマットに背中から倒れた。



こいつ、こんなに弱かったっけ。


一瑚の上半身の上に馬乗りになりながら、
僕は下の一瑚を見下ろす。


一瑚は一瑚でびっくりしたみたいに、
僕を下から見上げてた。


この先どうしよう…。


そう、思った瞬間。


「一、十和、何やってんだよ」


お母さんの罵声が僕の部屋いっぱいに響いた。



…やばい、これ。絶対怒られる…。

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