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カッコいいけど、恋には臆病な十和。ガサツで女の子らしくない一瑚。 双子の恋愛模様

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十和 #11 一瑚の秘密

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/09/29 07:09:27

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カコにあれこれ愚痴を言いながら、僕は家に帰ってきた。

百葉は今日はダンスのレッスンで、僕と入れ違いくらいに、
スポーツバッグ提げて出て行った。

一瑚はまだ、帰ってきていない。


誰もいないしーんとなった家。

僕はベッドに寝転んで、一瑚のことを考えた。


中学に入った時に、僕の部屋は2階のいちばん階段に近い
この部屋になった。

それまでは、一瑚と同じ部屋で、
ベッドも2段ベッド。

一瑚が上で、僕が下。時々取り換えっこしたりして。
先生の悪口とか、学校であったこととか、
ふたりでずっとしゃべってるから、なかなか寝なくって。
お母さんが僕たちの部屋を覗きに来たら、
ふたりで同時に黙った。


あの頃だったら、奥村先輩の話も、
一瑚がいちばんに話すのは僕だったのかな…。


ベッドの上で考えていても、もやもやした思いは消化されない。

仰向けにしてた身体を引っくり返して、枕をぎゅっと抱きしめる。


僕はそのまま眠ってしまっていたらしい。




突然、あたりが明るくなって、僕は反射的に目を開けた。


「あ、何だよ、十和、いるんじゃん」

最初に僕の目に入ってきたのは、にこっと笑ってる一瑚の顔だった。


「呼びかけても返事ないから、いないのかと思った」
「…あ、うん。ごめん、気づかなかった」
「珍しいよな、十和が昼寝なんて」

そう言って、一瑚は僕のベッドに腰かける。
一瑚の体重の掛かった分だけ、僕の身体はマットに沈み込んだ。



「一瑚…僕に話すことない?」

一瑚とは目を合わさないで、聞いてみる。

一瑚の表情はわからない。けど。
僕のこんなもやもやした気持ちを、吹き飛ばすような軽快な笑い声を一瑚は立てた。


「あはは、カコが言ったんだってね。
なんか、お詫びのスタンプがいくつも送られてきて、
その後に長文で詳細が…あんた、めっちゃ怖かった、って」
「一瑚が言わないからだよ」

僕が全面的に悪いみたいじゃん。
僕はまだ拗ねて、枕を抱きしめてた腕に力を入れる。

けど、次の一瑚の発言は、更に想定外だった。




「春になったらあたしは、振られるの。
それがわかってるから、なんか、恥ずかしいから、
みんなには内緒にしておこうかな、と思ったの」

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