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漆黒の王女.85

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2016/09/26 21:44:27

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『やがて、、、お妃さまが身籠った。待ち望んだ漆黒城の後継ぎ。

母子ともに順調に、、、とても大きなお腹で、大きな赤ちゃんが生まれるに違いないと言われていたらしいが、生まれてみるととても小さな男の子だったようだ。

真っ黒い髪。真っ黒い瞳。漆黒の一族の血をしっかり受け継いで生まれてきた王子様。

あたしはお目にかかる事はなかったが、旦那からよく話を聞いていた。ご両親に目一杯愛でられて育っていると。



、、、それから、、、王子様ご誕生からまもなくして、、、

この家に、お妃さまがお忍びでいらっしゃった。

そうら、驚いたね。当時のあたしもびっくりさ。護衛も誰も付けずに、城からの秘密の抜け道でたったひとりで来なさった。

お妃さまは、あたしが城に居る時に織った深緑のマントで身を包んでなさった。

その中から、、、ふぇ、ふぇ、と声がするんだ。

あたしが覗き込むと、お妃さまはマントを剥ぎ取って、、、腕に、赤ちゃんを抱いていた。

王子様を見せにいらしてくれたのかと思ったが、、、その子は王子様ではなかった。

マントと同じ色の、深緑の髪と瞳。赤ちゃんにしてはかなり大きい子だった。

この子はどうしたのですか、あたしは聞いた。

お妃さまは、、、こうおっしゃった。



この子は、城の見えない所に捨てられていた。

育ててやりたいが、私の息子も生まれて城中の者は全て息子にかかりきり。

城の喧騒から離れているお前にこの子を託したいのだけれど、引き受けてくれるだろうか。



この頃、、、まだ今ほど目は悪くなってなかったが、自分が出産できない身体と知って、途方にくれていた、、、

お妃さまのこの提案に、あたしは乗った。

こんなに可愛い赤ちゃんを捨てるとは、なんて親だ。

お妃さまはその緑の子をあたしに抱かせて、宜しく頼むと言い残して、また抜け道を通って帰っていきなさった、、、

何度も何度も、振り返って。

大事に育てていこう。あたしはそう思った』

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