くるみのノート。

ちょっとエッチな小説書いてます(о´∀`о)

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今だけを見つめて…。②

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/09/28 20:31:29

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どれくらい眠ったかわからない。
酔っているせいなのか頬が熱い。でも左の頬だけ。
それが人の体温だと気づくのに時間はかからなかった。
「ねぇ…起きてる?」
ヒロが問いかけてくる。
「寝てる?」
その体温の正体は手。ヒロがわたしの頬を優しく撫でている。
体が緊張して、呼吸が苦しくなる。このまま寝たふりしていたほうがいいの?それとも…。
「起きてる?」
なんでヒロはこんなことしてるの?友達ってこんなことするの?
「寝てる…よね」
離れてしまう優しい体温を追いかけて、わたしは目を開いた。
違う。これは友達とすることじゃないよね。
「…起きちゃった」
一生懸命笑ってみせる。
「抱きしめてもいいですか?」
「…はい」
細く見えていた腕は、力強くわたしを抱きしめた。少し苦しいくらいの抱きしめ方、ヒロの匂い、温かさ…すべてが気持ちいい。
少しだけ体を離して、額と額がくっつく。
「こっち向いて」
「…ダメ。顔見せたくない」
「クルミ…」
いつもはさん付けなのに。呼び方の違いにハッとして顔を上げてしまった。
「…可愛い」
目を閉じて、ヒロの唇を受け入れる。
もう言い訳なんて出来ない。言い訳なんてしない。
わたしは裏切った。彼氏がいるのに他の男を部屋に入れて、同じベッド横になって、抱きしめ合って、キスをして…。
でも今は言い訳とか、後悔とか、裏切りとか、そんなのどうでもいい。今はこの溶けそうな気持ち良さに浸っていたい。

このあとのことは、あんまり覚えてない。
体験したことのない恥ずかしさと興奮。ヒロにすべてを委ねた。
向かい合って、抱きしめ合って眠った。

カーテンの隙間から夏の陽射しを感じた。まだそう遅い時間ではない。
彼氏の…ユウキ以外の異性の腕の中で目覚めるのは、初めてかもしれない。
(そっか。わたし、ヒロと…)
タオルケットから静かに顔を出し、ヒロを見つめる。
(まつ毛、長いなぁ…。うらやましい)
可愛らしい寝顔に見とれていると、パッと目が開いた。さすがにビクッとしてしまう。
「お…おはよう」
言葉に詰まりながらも、学校で会ったときと同じように挨拶をする。
「おはようございます」
優しい笑顔。わたしと違って、この状況に対して冷静な感じがする。
「お願いしてもいいですか?」
「なに?」
「もう1回…シテもいいですか?」
強く抱き寄せられる。顔と顔の距離が近い。
「イヤ」とか「ダメ」とか、言えるわけない。体の奥が熱くなる。
「うん、いいよ」
強く抱きしめられると、涙が溢れそうになる。どんな形でも誰かに必要とされたかった。
ヒロを受け入れると、名前を呼ばれても返事なんてできなかった。わたしの心理の奥深くを刺激する。唇も指も言葉も…。
夢中で求め合って、わたしの体力が尽きるとまた抱き合って眠った。

昼間は食事らしい食事もしないで、ほとんどの時間をベッドで過ごした。
スマホがメッセージが届いたと知らせてくれても、聞こえないフリ。この時間と空間を、誰にも邪魔されたくなかった。
夜になってやっと食欲のことが気にかかるようになった。部屋に自炊するような設備はないので、少し離れたファミレスに行くことにした。
「さすがに今日も一緒にいるなんて知られたら、疑われるっていうか、確信するよね」
「言い訳はいくらでも出来ますけどね」
「わたしは苦手だから、そういうのはお任せする」
ヒロはこういう状況にずいぶん慣れている様子だった。なんかとんでもない男に引っ掛かってしまったような気がする。
食事をしながら、今まで話さなかったことを話した。こんな関係なのにお互いの彼氏、彼女の話まで。
「そういえば、昨日言いかけたことって…」
「あれ?気にしないでって言ったじゃん」
「いや…彼氏さんと、あんまりないんですか?」
けっこうストレートに斬り込まれる。ここで濁しても、いつかわかってしまうと感じた。
「そうだね、入学前にお泊まりデートしてからないね。前みたいに会えなくなったから、会えるだけでも嬉しいんだけどね…」
でもやっぱり街中でベタベタするわけにもいかないし、でも本当はもう少し触れ合いたい。
「それなりに求められてたなら、期待するし、疑ったりもしますよね」
おもわず目を逸らしてしまった。
そう…最近は疑ってる。ユウキには、なにか後ろめたいことがあるんだと感じている。
「あっちになにかあるなら、わたしが責められることもないか」
「後悔してます?俺とのこと」
「後悔はしてない。もう少し軽く考えることにしようかな。初めてだと、なんでも重苦しく考えちゃうんだよね…」
軽く深呼吸をして、ヒロの目を見つめた。
「ヒロはいろいろ慣れてるね。一体、何回目?」
「秘密です」
「彼女さん、傷つかない?」
「アイツも自由にやってますから。傷つかないかどうかはわかりませんけど、責められたりはしませんよ」
わたしの理解できる範囲を越えてしまっている。
でもヒロと彼女さんには、わたしたちにはない「なにか」があるんだと思った。
「俺は…クルミも大切にします」
テーブルに置いていた手を握られる。
少しなら、卒業するまでなら許してもらえるかな。近くにこんな人がいること。
寂しいときに慰め合える人がいてもいいよね。
「わたしも…大切にする、ヒロのこと」
気付けばまた日付が変わろうとしていた。お会計を済ませてお店を出た。
「こんなに長く誰かと一緒にしてたのって久しぶり」
「俺もです」
「今日は1人で眠るんだね。ちょっと寂しい…かも」
涙声になったのを、ヒロは聞き逃さなかった。
「今度は俺の家に招待しますよ。だから笑顔でいてください」
肩を抱かれて歩くなんて初めてだった。
「いつ?来週とか?」
まるで子供のワガママだ。
「いいですよ。来週はバイトあるからお留守番してもらうことになるけど、来ますか?」
「…行く」
ユウキよりヒロの存在が大きくなっていた。
「じゃあ、笑ってください」
「…うん」
わたしは涙を拭いて、ヒロに一番いい笑顔を向けた。
頭をポンポンと撫でてくれた。
手を繋いで寮の駐輪場まで歩いた。
軽いキスをしてヒロは帰っていった。わたしは姿が見えなくなるまで見送った。

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