【SSS】シオの道草ブログ

☆シオ短編集☆【悠の詩】ゆるんゆるんと執筆中φ(・ω・*)

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漆黒の王女.81

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2016/09/24 21:53:17

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先程の雨足は一時的なものだったみたい、今は風が凪いでシトシト降りになっていた。

濃霧も空の上だけのようで、森の中は視界がはっきりしていた。

方向は?


「あ、、、」


墜落の拍子にコンパスを落としてしまったらしい。辺りを見回すと、地面に叩きつけられて割れて転がっていた。

どうしよう、と思っていると、柔らかくなった風が僕の後ろから吹いてくる。

気流は東に向かって流れてた、、、

僕はフラフラと立ち上がり、風に押されるように歩き出した。

風向きなんて、いつまでも同じ方向に吹くわけがないんだけれど、、、身を任せるまま歩いていく。

ぼんやりと歩いていたので、僕はぶつかった。


「いてっ、、、」


壁に。

、、、壁?森に壁??

僕はぶつけた顔面を擦りながら、目の前のそれを触診する。

カシャカシャと音を立ててぐにゃりと向こうへしなる、金網だと分かった。

だけど、植物の蔓が金網の隙間に満遍なく絡み付いて、厚い壁を作り上げていた。しかも見たところ、とんでもない高さ。人が乗り越えられないようにしているようだった。

何故、こんなものがここに、、、この向こうへは行けないんだろうか。

どうして僕がそう思ったか、それは、この壁の向こうから、、、かすかに料理の匂いがするからだ。

誰かが住んでいる。

わずかな希望を託して、僕は丹念に緑の壁を調べた。どこかに出入口があるはず。

すると、ある箇所で誰かが踏みつけたような地面を見つけた。

それと垂直になっている所の壁に体重をかけると、ギイッと扉が開いたように向こうへ押しやられた。


「うわ、、、」


金網を境界に、こちらはすごくひんやりしていた。雨に濡れているから尚更鳥肌が立った。

匂いは、、、まだ、美味しそうに漂っている。

すぐ先は暗闇、でも僕の強い嗅覚を頼りに、迷いなく奥へ進んだ。





やがて、、、暗闇の中にぽうっと灯る、家の明かりが見えた。

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