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恋〜いつか出逢ったあなた〜

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/09/23 17:31:41

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「…もしもし。」

『…あたし。』

「ああ…」

『今から…そっちに行っていい?』

「あ?」

事務所から帰って、晩飯を…作ろうとしたが、やっぱりそれはオフの日にするかと思って冷蔵庫を開けると。

咲華が焼きそばを作ってくれてた。

『温め方』ってメモも残して。

いや、もう電子レンジぐらい使えるっつーの。


電子レンジに入れる前の焼きそばを手にしたまま、電話の声を堪能する。

…知花の声を、久しぶりに聞いた気がした。


「…ああ、分かった。」

『じゃ、後で。』

手にしたままの焼きそばは、また冷蔵庫に入れた。

ビールを取り出して…またおさめて。

シャワーを浴びる事にした。


…知花は、何をしに来る?

この一ヶ月、見掛ける事もなかった。

咲華の時と同じで、俺からは連絡はしないと決めてはいたが…

こんな時でも知花は里中とアンプを直してるんだろーなー…と思うと、前みたいに妬くって言うより…

落ち込む俺が居た。


頭をガシガシと拭いて、溜息をつきながら鏡を見る。

F'sの海外ツアー以外で一ヶ月離れたのは初めてだ。

しかもあの時は毎日電話していた。

離れてても…離れてる気なんてしなかった。


だが今回は…

知花から『離れたい』と言われた。

たぶん俺は今もショックを受けたままだ。

深く深く落ち込んでるはずなのに、それを認めるのが怖い。

そして、聖の言っていた『ズケズケ物を言う』知花…

俺はそれが少し怖い。

…なさけねーな。


ビールを飲もうとしたが…やめた。

知花が来るなら…ちゃんと話しを聞くために、きちんとしておきたい。

…かと言って、きちんとし過ぎるのも…

「……」

考え過ぎてる自分に笑いそうになった。

知花が来るだけだ。

普通にしていよう。


Tシャツを着てスウェットをはいた。

去年の誕生日に華月がくれたやつだ。

どこか海外に撮影に行った時に買ったとか言ってたな。

着心地が良くて気に入っている。

…そんな、別に今詳しく誰かに話すように考えなくてもいい事を思ってると…

ピンポーン

…知花は暗証番号を知らないのか…

そんな事を考えながら。

「…はい。」

『あたし…』

「……」

エントランスのドアを開ける。

それから玄関まで行って…逸る気持ちで知花を待った。

どんな顔して会う?

…バカか俺は。

普通に…『よお』なんて言えばいいじゃねーか…

ピンポーン

再びチャイムが鳴って。

俺はドアを開けて…

「…こんばんは…」

「……」

知花がそこに立ってるのが見えた途端…

「…え…っ…」

「知花…」

俺は、知花を抱きしめた。

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