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母として

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2016/09/08 18:17:08

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先生 「クレアさん、背中の…取ったけどその後の痛みはどうですか?」

私 「大丈夫です。ありがとうございました」

先生 「そうですか、よかった。今から一昨日の手術のことと、今後の見通しについて説明しますね」

母の表情が一段と固くなった。

先生 「クレアさんの嚢腫ですが…子宮だけでなく腸のほうにも癒着していて…ご覧になってわかるように…腹腔鏡では処置が難しくて、開腹にしました。それで…術前の説明では嚢腫部分だけを取り除くと言ってましたが…先ほどもお伝えした通り、癒着がひどく…急遽、同意書にサインをもらって左の卵巣と卵管を摘出しました。」

「え?」という声とともに母のほうを見た。母の目からは涙がポロポロこぼれていた。

私 「同意書?」

母 「ごめん…私がサインしたの…」

先生 「癒着でドロドロになっていて…他に取れる手段がなかったんです」

私 「そう…ですか…」

先生 「摘出した卵巣ですが、直径14センチになっていました。今、検査にまわしています。それでね、もともとの嚢腫の原因は子宮内膜症なんです。子宮以外の場所、今回なら卵巣に子宮内膜ができてしまい、生理のたびに大きくなってしまう病気です。今回、内膜症の結果大きくなってしまった卵巣に対する処置をしただけであって、内膜症自体には何もしていないんです。だから、このままにしておくと再発する恐れがあります。一般的には、排卵をコントロールして内膜ができる量を少なくする方法や排卵自体をしばらくの間、止める方法をとります。クレアさんの場合、嚢腫の進行速度や癒着度合を考えたら一旦、薬で排卵を止めるほうがいいのではと私は思います。」

そこまで一気に伝えられた。今後の治療について選ばなきゃいけないのは分かってるけど即答できなかった。

先生 「今すぐどうするかは決めなくていいです。ゆっくり考えてみてください」

母と私は診察室を出て病室に戻った。

「ママさ、辛かったでしょ」

「え…?」

「卵巣取ったこと私に隠してるの」

「勝手に決めてサインしてごめんね…」
母はまた泣き出した。

「別に責めてないよ。私がママの立場でも同じ選択してるよ」

本当に母を責める気はなかった。

母親として、娘の卵巣を摘出することに同意を迫られ、相当なストレスだったと思う。ましてそれを伏せておくなんて…

私の刺激にならないよう、一生懸命隠し通した母に私は感謝した。

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