友達以上、恋人未満

心を揺さぶる小説を書きたい

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琥珀色13

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2016/08/20 18:31:43

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彼と再会してから二年の月日が流れている。

あれからも数ヶ月に一度は会っていて、私が暮らすアパートにも泊まってもいる。彼の家族からすれば許せられない不倫になり、ばれた時は大惨事になる。私も不倫は許されないと理解しているけれど、関係を終わりにすることができずにいた。

元彼との不倫

寛保2年(1742年)の『公家方御定書』では、不倫した女と相手の間男は死罪とされた。男は裸馬に乗せられて市中を引き回しのうえ、斬首した首を刑場で三日間さらす獄門。女は斬首の刑に処されることになった。

当時の川柳にも「枯れ木の枝と間男は登りかけたら命がけ」と詠まれている。

年齢を重ねてからの恋愛は、相手を思いやる気持が格段に上がっていると思う。お互いに若かった頃より大人の気遣いができて、穏やかで安らぎのある時間が流れていく。

彼と一緒に食事の買物に出て、同じ景色を見て同じ音楽を聴く。二人の好きな食材を選び料理を作り食べてもらう。いつも笑顔で会話の波長が合う。そんな男性と過ごせば、私の方から彼の膝や手に触れていた。

私が描いていた理想の夫婦。

私が抱いていた理想の主人。

私が望んでいた愛する人との生活。

今までの隙間を埋めるように二人の時間を過ごせば夜の営みは予想を超えていた。

キスをするだけで濡れてしまうのは、何十年振りの出来事だろうか。その経験も前の主人じゃなく、20代の中田君で間違いない。そのうえ、キスをされながら胸を揉まれれば、逝きそうな気がするのはどうしてか。

若いときよりアソコがトロトロに蕩け、彼の指が入ると淫靡な音が出てしまう。愛液に濡れたクリを転がされると、高い頂に続く階段を登らされていく。

いいっ

逝っちゃう

こんな簡単に逝きそうになるのは、テクニックだけじゃないと思う。感情が先走っているのだ。

「薫、もっと乱れろ」
「ああっ」
「逝かせてやる」

体が臨界点を迎え、痙攣してしまった。

大好きな人に逝かされるのは、最高に気持が良くて思いきり甘え乱れてしまう。それなのに彼は言う。

「ほら、逝けよ」

はっ?

「今日は逝き難いな。もっと、してほしいんだろ」

えっ?

私は両肩をヒクヒクさせながら言った。

「逝ってる」

彼は私の逝き顔見ながら、真面目な表情を張り付けて言う。

「んっ?聞こえないな」

もう!

「今、逝ってるのぉ」
「なんだ薫、逝ってる真っ最中か。どうりで痙攣してる」

ひどい……

高校の頃は成績だって、私の方が大差で上だった。仕事だって私の方が有名な処で働いていた。料理だって私の方が上手。それなのにセックスはヤラれっぱなしで、太刀打ちも出来ず逝かされてしまう。

「じゃあ、薫。すぐに入れてやる」
「あっ」

彼のモノが入ってくるだけで、胴震いをしてしまった。

そのまま抱きしめられ腰を振られると、またメチャクチャにされる気がした。このまま快感に漬け込まれ、快楽しかない世界に導かれるのだ。

でも、見たい。私を抱く彼の姿を見たい。視線を右に移せば姿見に、男と女の営みが映っていた。

女の太ももが大きく開かれ、両方の爪先が宙に舞っている。男が腰を振るたびに爪先が揺れ、生々しく上下に動く腰は、男根を奥深い処まで入れようとしているのがわかる。大きな体に抱かれた女の肌が赤味を帯び、男の背中に細い腕が回ったとき

姿見に映る女と視線が合った。まるで別人を見ているようだ。

男に心を奪われた女が、恍惚とした顔をしている。愛する男に抱かれる女の顔は、こういう表情を言うのだろうか。白い頬が上気し、潤んだ瞳に艶が出ている。決して美人じゃないのに、幸福そうな顔は、美しくもかわいくも見えた。

私はこんな顔をして抱かれていると初めて知った。

彼のモノで奥をグリグリされ、珍しくパンパンと打ち込まれると、重なっていた視線を逸らしてしまった。私は快感の波に呑まれ、見慣れた天井までボヤけると、理性まで失っていく。

ここはアパートでラブホじゃない。

エアコンもなければ、開放感あふれる真夏のアパートだ。同じ棟に住む人は知り合いで、こんな年齢になって、喘ぎ声や逝き声を聞かれるわけにはいかない。必死で声を押し殺すと、逃げ道を失った快感が体内に詰め込まれていく。そんな我慢を知らない彼は丹念に突き続け、私はとうとう逝き声を響かせてしまった。

☆☆☆


彼が札幌に帰ってから3ケ月が過ぎ、そろそろメールが来るころ。もちろん次に会う日を教えてもらうのだ。その日が決まってからは気忙しくなり、彼は何を食べたいのだろうか、何をしてあげれば喜ぶのか、今度は愛情をたっぷり込めたフェラで奉仕をしたいと思う。

そんなことを考えながら

ふと思う。

彼とは結婚が出来なくても、心の支えになっている。人の不幸は祈れないけれど、もし、彼の奥さんが亡くなったら………その時、私は冷静な判断ができないかもしれない。

そして、待ち侘びたメールが届いた。

メールを開く前から、笑みがこぼれてしまい、急いで開けば

えっ

『しばらく入院することになった。

 大病じゃないから心配しないでくれ。

 必ず会いに行く』

単なる検査入院なのだろうか。でも、しばらく入院する検査入院は聞いたことがない。49歳になっての入院は年齢的にも心配な時期。できれば奥さんにわからないよう、お見舞に行きたいのに、彼は病院も教えてくれなかった。

『大丈夫だから、余計な心配をしないで。単なる胃潰瘍だって。ば~か』

こんなメールの返信がくるけれど、日によってはメールの返信も遅れがちで、折り返しの電話も数日後になるときもあった。私は大きな病院に電話をしたけれど、どの病院も直接来てくれの一点張りで、彼の所在を教えてくれない。

やがて入院してから4ケ月がたち、

1ケ月ぶりに彼から電話がかかってきた。

「ああ……か……る…か」

あれっ?どこのお爺ちゃん?もう一度画面を見れば、間違いなく彼の携帯だ。

「ご………ん」

あまりに唐突すぎて理解ができない。

「ちょっと、あなた大丈夫なの?」
「あい…に………

 行け……くて………

 ご……ん……な」

声が弱々しくて聞き取ることもできず、最悪の事態を確信してしまった

「ねえ、どこの病院?お願いだから教えて。悪い病気なんでしょ」
「か……る。ご……ん。ゆる………れ。あ………し………る」

通話がつながったまま、固い床に携帯の落ちる音が聞こえた。

私は携帯を握り叫ぶけれど、誰も気づいてくれない。急に病室が慌ただしくなり、複数の足音が近づいてくる。

『中田さん、大丈夫ですか。ご家族に連絡しますから、大丈夫ですよ。頑張ってください』

何が大丈夫なんだ。大丈夫なわけがない。私は携帯に向けて叫ぶけれど、プツリと切れてしまった。切れたのは通話だけじゃない。

死ぬの??

うそでしょ?

胃潰瘍だって………

言ってたでしょ

私の思考も感情もプツリと切れる音が聞こえた。

つづく

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コメント2

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  1. フリューゲルさん(30歳)ID:4923696・08/22

    リサさん

    コメントありがとうございます♪

    年齢を重ねてから

    より夫婦仲が良くなったり。未婚の人が結婚をしたり。また、再婚をしても初婚と同じ失敗を繰り返さないように気を使ったり。
    若い頃と比べて関係が良好になるのは、良い年齢の重ね方をしてるんだなと感じています。
    大人の落ち着きや思いやりが増し、魅力が大きくなっている気がします。反対に悪い年齢の重ね方もあると思いますが(笑)
    大きく変わらなくても、年々、良くなって行くのは羨ましいです。その根っ子にあるのは、女の優しさと男の優しさなのでしょうか?

    セックスも大きく違う気がしています。男性も女性も高校生と40代は大きく違うような(笑)

    そんなこんなを混ぜこぜにして「琥珀色」を更新しました♪

    昨年、東北の岩手県に行きました。一方通行を逆走し、警察に捕まりましたが(笑)

    これからも、よろしくお願いします♪

  2. リサさん(48歳)ID:4921050・08/21

    私は東北の端に住んでます。
    地元紙にお悔やみ欄、ありますよ。

    若い時は、私から旦那に触るなんてことが
    なかったのに
    子供達が独立し、
    ふと、旦那に再注目したら
    私には魅力的に見え
    私から触れてしまってます。
    歳を重ねてからのsexは
    お互いの思いやりが入ってるから
    若い時よりいいのかしら?
    と薫さんの気持ちを読んで思い当りました(^^)

    辛いことも、楽しいことも、
    永遠に続く……
    ってことは、ないってことですね

    いつも読ませてもらってました。
    ありがとうございます(^^)

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