春を愛する人

【2016.7.11完結】自称ひとりぼっちが、ふたりぼっちになるまでの記録。

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20.麻痺-3

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2016/05/27 22:17:01

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それから半月くらい後だっただろうか。

なんとその同僚さんに、たまたま私がつくことになった。


「こんばんは、ユリです」


未だに馴染めない自分の源氏名を言って、横に座った。

すると彼は、私が何も聞かないうちから自分のことをペラペラと喋り始めた。


藤田です。

年齢は28、車関係の仕事、彼女は数年いない。

今日はここの常連である同僚に誘われて来た。


あのフリー専さんとは、同い年らしい。

もっと上かと思っていたから、少し驚いた。


前は●●という店で、××ちゃんをずっと指名していたが辞めてしまった。

ショックでしばらく飲みに出てなかったから、今日は久しぶりだ。

…そんな風に延々喋り続けるので、私はキリのいいところで言った。


「とりあえず…何か飲みませんか?」

「あ、じゃあユリちゃん何飲む?」

「じゃあ、ビール頂きます」

「じゃあ俺もビールで…」


注文したビールがテーブルに来る前に、ダウンタイムに入ってしまった。

藤田さんの膝の上で、乾杯する羽目になった。


「暗くなっちゃったやん」

「ごめん、喋りすぎた~」

「よっぽど淋しかったっちゃねぇ…」

「そうなんよ!××ちゃんが…」

「も~藤田さん、××ちゃんの話ばっかりやん!笑」

「ユリちゃんはおらんと?忘れられん人とか」


おらんよ~!って、あっけらかんと答えるべきだったのかな。

けど、ふと悠人くんを思い出して私は黙った。

忘れられてないわけではなかった。

普段はもう、思い出しもしなかったから。

あんなに好きだったのに。

あんなに、一緒にいたのに。

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