春を愛する人

【2016.7.11完結】自称ひとりぼっちが、ふたりぼっちになるまでの記録。

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2016/05/19 20:43:30

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歓楽街の裏手に入り、少し歩いたところ。

階段を上がり、男がいかにも裏口って感じの地味なドアを開く。

店のBGMなのか、やかましい音楽が聞こえてくる。

ちょっとうるさくない…?

そう思いながら着いて行くと、事務所らしき部屋があった。


ぱっと見はよくある会議室みたいなのに、周りを見渡すと、女の子のコスチュームらしきものが何枚か吊るされている。

風俗雑誌の様なものがあったり、名前の印字されていない空の名刺の様なものがあったり…

いくつかあるパイプ椅子の1つに座る様に言われ、私が腰掛けると、男は言った。


「どれくらい稼ぎたいと?」

「ちょっと見当つかなくて…多いなら多い方がいいですけど…」

「どれくらい頑張れる?」

「めちゃくちゃ頑張ります!」


男の言う「頑張る」の意味が分からなかった私は、言葉通りに受け止めて返事をした。


「身体、張れると?」

「え…?」

「本番までやれるとやったら、うちにはそういう店がないけん、別の店紹介することになるっちゃけど…」

「本番…って…」


もしかして…


「とりあえず…説明するより見てもらった方が早いけん」


そう言って、男はリモコンを手に取った。


私は頷いて、向かいにあるテレビの画面に目を凝らした。

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