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風俗を辞めて。その1別れ編7

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2016/05/10 10:00:24

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私より男を選んだ母。
私に借金を背負わせた母。
私の人生を狂わせた母。

その母が今、死の床にいる……
動揺はしたが、悲しいという感情は
生まれなかった。

母と決別してからも、私は借金を
払い続け、生活援助も続けた。
母に対して、私は出来る限りの事を
してきたつもりだ。
恨みつらみといった感情はもう薄れたが、
だからといって、母にされた事を
全て許せる訳でもない。
妹に対しても、それは同じだ。

それに、1つ引っかかる事がある。
母の入院費だ。
母が何時から入院したのかは
分からないが、入院費は何処から
捻出したのだろう?
妹が全額負担したとは思えない。

………心当たりがあるとすれば、
それは、私が母に毎月振り込んでいた
生活費だ。
母の入院など知らなかった私は、
毎月、母の生活費を振込み続けていた。
私自身が入院していた時でさえ、
ユウキくんに頼んで、振り込んでもらった。
そのお金が入院費に使われていた
可能性が高い。
どちらにしろ、母の為に振り込んでいた
お金だから使い道は自由だが、
そこは、ハッキリさせたい。
私は、思い切って妹に電話をかけた。

『もしもし?度々ごめん』

『あれ?お姉ちゃん?どうしたの?』
妹は、少し戸惑っていた。

『あのさ、お母さんって、いつ入院
したの?』

『一年くらい前。入退院の繰り返し
だけどね』
一年……そんなに前から?

『ちょっと突っ込んだ事聞くけど、
入院費ってどうしたの?』

『あ、お姉ちゃんが振り込んでくれてた
お金、使わせてもらったけど、
まずかったかな?』
妹は、あっけらかんと答えた。

『ううん。元々、お母さんの為に
振り込んでたお金だし。ちょっと
確認したかったんだ。役に立って
良かったよ』

『うん、ありがとう』
妹に、悪びれた様子は全く見られない。

『じゃ、お母さんの事お願いね』
私は呆気にとられて、電話を切った。
妹は、私が何をしてお金を稼いでいたのか
忘れてしまったのだろうか?

私のお金を使うなら、母が入院した時に、
妹から1本連絡が欲しかった。
それ位の気遣いは、して欲しかった。
母や妹にとって、私の存在は、所詮
お金目当てでしかないのか?
考えれば考えるほど、虚しくなった。

私が物思いにふけっていると、
社長から電話が入った。

『もしもし、美羽ちゃん?最近、
具合はどう?』
社長の声を聞いた途端、涙腺が決壊した。
突然、泣き出した私に、社長が慌てる。

『美羽ちゃん、何があった!?
ユウキくんは!?』

『ユウキくんは、今日、同伴で……』
私は泣きながら、母と妹の事を
社長に打ち明けた。
長いながい打ち明け話を、社長は
辛抱強く聞いてくれた。
全て話終えると、社長が言った。

『美羽ちゃんには申し訳ないけど、
心無いご家族だね。美羽ちゃん、
苦労して、よく耐えてきたよ。
頑張ったね。本当に、よく頑張った。
俺は心から尊敬する。でもね、
美羽ちゃんの身体が許すなら、
家族に会いに行くべきだと
俺は思う。会いに行って、恨み言でも
何でも、ぶつけるべきだよ。
美羽ちゃんには、その権利があるし、
家族には、それを受け止める
義務がある。本当の意味で、家族と
決別するんだ。じゃないと、
美羽ちゃんは一生、家族への
やりきれない気持ちを引きずって
いく事になるんじゃないかな』

社長の言葉に、私は困惑した。
母と妹に会いに行く?
そんなの………

『嫌です。会いたくありません。
今更、何を言えって言うんですか?
言う事なんて、何もありません!』
興奮したせいか、頭が酷く痛んだ。

『けどね、美羽ちゃん…』
私は、社長の言葉を遮った。

『頭痛が酷いので、もう切ります。
話を聞いてくれて、ありがとう
ございました』
社長の返事も聞かず、電話を切った。

何も考えたくなくて、私は頓服と
睡眠薬を飲んで、そのまま眠った。

翌日。
私は、ユウキくんに全てを打ち明けた。
ユウキくんは、時に怒り、時には
涙を流して、私の話を聞いてくれた。
私の話を聞き終えたユウキくんは、
私を抱き締めて、

『もう大丈夫だから。美羽は俺が
幸せにする。約束するよ』
と、言ってくれた。

『でもさ…ジジィの言う事も 一理あるよ。
まぁ、美羽の体調にもよるけど、
母ちゃんいなくなる前に、美羽の
気持ち、直接ぶちまけた方が
美羽もスッキリしない?』

『ユウキくんまで、そんなこと言うの?
私には、もう話すことなんて
何もないよ。もうすぐ死んじゃう人に
何を言えって言うの?』

『もうすぐ死んじゃうからこそ、だよ。
母ちゃん死んじゃったら、それこそ
もう何も言えなくなる。美羽は
後悔しない?死にかけてる母ちゃんに
会うのが怖い?』

私は黙った。
確に私は、死にかけてる母に会うのが
怖いのかもしれない。
死にかけてる母に全てをぶつける事で、
自分も壊れてしまうのではないかと
怯えてるのかもしれない。

『少し、考えてみる』
それだけ言って、私は寝室にこもった。
ホスピス代の振込みは、ユウキくんに
お願いした。

それから1ヶ月、私は寝込んだ。
薬はユウキくんに取りに行ってもらい、
私は、廃人のような日々を過ごした。

ようやく鬱状態から抜け出した頃、
私は改めて、母のことを考えた。
母に残された時間は、もう僅か。
どんな仕打ちを受けたとしても、
私を産み、育ててくれた人だ。
最後に会いに行く事が、私に出来る
最後の親孝行かもしれない。
私は決心した。

ユウキくんに、
『医者が許可してくれたら、私、
京都に行く。お母さんに会う。
ユウキくん、着いてきてくれる?』
と、聞いた。
ユウキくんは、喜んで快諾してくれた。
社長にも、報告をした。

『うん。美羽ちゃんの判断は正しい。
よく決心したね』
社長の言葉は、私の背中を押してくれた。


しかし。
脳外科の医者も、心療内科の医者も、
私が母に会いに行く事を、
許可してくれなかった。
今の私の身体的、精神的状態では、
遠出をするのは無理だし、
母や妹と対面することで、病状の悪化が
懸念されるという。
私は諦めるしかなかった。
だが、心のどこかでホッとしたのも
事実だった。


今回は、ここまでです。

byナギサ

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