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移籍後騒動。その8元カレ編20完結

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2016/05/03 08:35:09

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私の記憶が戻らないまま月日は流れ、
私が退院したのと同じ頃、
順ちゃんは、懲役2年6ヶ月執行猶予5年の
執行猶予付き判決が第二審で確定した。

裁判を傍聴に行った社長によると、
順ちゃんは、初公判でも二審でも
終始、落ち着いた様子で、裁判官の
質問にも淡々と答えていたそうだ。
ヤツれた様子もなく、健康状態にも
問題は無さそうだという。

執行猶予が付いた理由は、まず初犯で
あること、再犯の可能性が低いこと、
更生は十分に可能であること、等が
挙げられたそうだ。

執行猶予判決が出たことに、まずは
ホッとした。
損害賠償、慰謝料に関しては、
訴訟を起こすまでもなく、順ちゃんの
お父様が十分過ぎる額を提示して下さり、
無事に和解となった。

これで、順ちゃんの件は、ひとまず
落ち着いたように思えるが、
私個人としては、少々複雑だった。
記憶が全部戻らない………それが
どうしても、モヤモヤした感情を
抱かせる。


約半年ぶりに家に戻った日。
猫さん達に忘れられていないか
心配だったが、それは杞憂に終わった。
猫さん達は、ちゃんと私を
覚えてくれていた。にゃーにゃーと
まとわりつく2匹が愛しい。
猫さん達を思う存分、可愛がっていた時、
ソレは起こった。
激しい頭痛、走馬灯のように
フラッシュバックする記憶。

『あれ?ユズとクルミは?』
あの時、順ちゃんは猫さん達の事を
聞いた。そして、
『相変わらずビビりなんだな』
って笑った。
その会話が聞こえていたのか、
ユウキくんが、やけに不機嫌で………

また、記憶が甦る。あの日、ユウキくんは
呼び名にこだわって、私を美羽と呼んだ。
私もユウキくんに倣って、ユウキくんを
俊くん、と呼んだ。
何故か浮かれるユウキくんを戒めて、
私は、ユウキくんの後を付いて回って
小言を繰り返した………
しばらくすると、社長が来て、
ユウキくんは、いつも通り、社長を
ジジィ呼ばわりして、私が怒って………
そして、順ちゃんが来たんだ……

家に来た順ちゃんは、丁寧に挨拶して、
よろけた私を支えた。
それにユウキくんが激怒して、
社長が押さえて………順ちゃんは、
ヤレヤレって顔してた。
その後、社長が仕切って、話し合いが
始まった。私は順ちゃんに、
ユウキくんを好きなこと、ユウキくんと
一緒にいたい事、風俗も辞めない事を
告げて、逃げ出した事を謝った。
順ちゃんは、納得してくれなかったけど。

そして、順ちゃんの
『君には社会的地位も保証も何も無い』
という発言にユウキくんがキレて、
また社長が押さえた。
社長が順ちゃんに、私が逃げ出した時点で、
順ちゃんと私の関係は破綻してるって
言って………順ちゃんの様子が目に見えて
おかしくなったのは、それからだ。

ユウキくんとの言い争いでも、
落ち着いているのは、寧ろユウキくんだった。
順ちゃんは、興奮したり、激昴したり……

そして、ユウキくんの
『アンタは自分の経歴とスペックに見合った
女を探せってことだよ』
って言葉に、順ちゃんはキレて………
私は、順ちゃんが立ち上がった事さえ
気付いていなかった。
『市村くん駄目だ!』
社長の叫び声で順ちゃんに目を向けると、
既に順ちゃんは、足を大きく振り上げてた。
ユウキくんに向かって。
私は何も考えず、ユウキくんを庇うように
飛び込んだ。
そして、後頭部への強烈な衝撃………

思い出した。順ちゃんが家に来る前の
やり取りも全部。
バラバラだったピースが、これで一つに
繋がった。

今更言っても仕方のない事だが、
やっぱり、あの時、飛び込んだ私を
順ちゃんが避ける事が出来たとは
思えない。本当に、一瞬の出来事だった。
順ちゃんの罪は、傷害罪ではなく、
過失傷害だ。但し、私に限って言えば。

順ちゃんは、キックボクシングの
経験者だ。その順ちゃんが、踵を
振り上げたのだから、標的にした
ユウキくんへ向けられたのは、
「本物の殺意」。
それは、到底、許されるものではない。

でも……
あそこで、私が飛び込んだのは、
間違っていたのではないだろうか?
私が飛び込まなければ、ユウキくんは
順ちゃんの攻撃を避けたかもしれない。
その後、乱闘になったかもしれないが、
社長が上手く立ち回ってくれたかも
しれない。私さえ飛び込まなければ、
こんな大事にならずに済んだかも………


荷物をランドリールームに置いてきた
ユウキくんが、廊下に座り込んで
放心している私を発見した。
『美羽!どうした!?頭痛いのか!?』
慌てるユウキくんを、ボンヤリ見つめる。
美羽……?そっか。私、順ちゃんからの
慰謝料で借金返せたから、もう風俗で
働かなくて良くなったんだ。
ナギサは………いなくなったんだ………

『美羽!?美羽!?』
叫ぶユウキくんに、
『大丈夫………あのね、私、思い出した』
と、相変わらずボンヤリ答える。

『思い出した!?何を!?』

『全部。忘れてたこと、全部………』

ユウキくんが、驚いた顔で私を見る。
『ほんとに?全部思い出したの?』

『うん……』
頷いた私を、ユウキくんが抱き締めた。

『急に?急に思い出したの?』

『うん。猫さん達と遊んでたら、頭が
痛くなって……次々と思い出した』

『今は、頭痛くない?』
心配顔でユウキくんが聞く。

『うん、大丈夫。……ねぇ、ユウキくん。
あの時、私が飛び込んだのって、
余計なことだったかな?』

『何で?あの時 、美羽が庇って
くれなかったら、俺、死んでたよ。
俺、市村が足振り上げたの、ジジィが
叫ぶまで気づかなかったもん。正直、
避けられた自信ない。情けないけど。
だから、美羽は俺の命の恩人。
いくら感謝しても足りない位だよ』

ユウキくんが、強く私を抱き締めた。
ユウキくんに抱きしめられながら、
それでも、私の心は晴れなかった。
気持ちは重く沈む。


順ちゃん。もう二度と会えないけど、
きっと、きっと幸せになってね。
私なんかに関わったばっかりに、
とんでもない目にあわせて、ごめんね。
前の会社の人が、順ちゃんの再就職に
動いてくれるって聞いた。
順ちゃんなら、立派に更生出来る。
もう、私のことは忘れてね。
バイバイ順ちゃん。ごめんね。
そして、ありがとう。


私は心の中で、精一杯、順ちゃんに謝って
幸せを祈った。
私には、それしか出来ないから。
ユウキくんの腕の中で、私は泣いた。
この涙の意味を、ユウキくんが
どう解釈したかは分からない。
ただ、黙って私を抱きしめてくれた。


元カレ編完結です~
ちょっと、中途半端かな💦💦

byナギサ

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