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移籍後騒動。その8元カレ編19

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2016/04/15 12:39:54

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あの時、順ちゃんは何故、
手ではなく足を振り上げたのだろう?
私に対しては分からないが、
ユウキくんに対しては、確かに
殺意に近い感情を抱いたように思える。
頭を狙って踵落としなんて、
下手したら命にかかわる行為だ。
キックボクシングをやってた
順ちゃんなら、それは分かっていたはず。
一体なにが、温厚で冷静な順ちゃんの
理性を失わせたのだろう……?

私の知ってる順ちゃんは、
優しくて、明るくて、真面目で、
誠実で、頭が良くて、仕事も出来て、
上からも下からも好かれてて、
友達が多くて、親孝行で………

付き合っていた時も、
喧嘩なんて殆どしなかった。
ましてや暴力を振るわれた事なんて
一度も無い。
暴言を吐かれた事も無い。
順ちゃんは、いつだって優しかった。

でも、ユウキくんと社長から聞く限り、
あの日の順ちゃんは、私の知ってる
順ちゃんとは、違っていたようだ。
ユウキくんに暴言を吐き、
社長の言葉に、かなり感情的になって、
何度も声を荒らげたという。

もしかすると………
私が逃げ出した二年前に、順ちゃんの心は
既に壊れてしまったのかもしれない。
だとしたら、順ちゃんを追い詰めて
理性さえ失わせたのは、
ユウキくんの言動等ではなく、私。

順ちゃんの壊れた心は、
私が逃げたことも、
順ちゃんの元へ戻らないことも
全て受け入れられず、
結果、私が選んだ人である
ユウキくんに、憎悪の矛先が
向かってしまったのではないだろうか?
順ちゃんが憎むべきは、私なのに。

私が逃げ出してからの二年間。
順ちゃんは何を考え、
どんな気持ちで生きてきたのだろう?
いつも前をむいて生きてた人が、
何故、私を忘れなかったんだろう?

切なくて、悲しくて、苦しくて、
涙が溢れて、どうしようもなかった。


それから数日後。
順ちゃんが傷害罪で起訴されたと、
社長から報告を受けた。
順ちゃんの身柄は、留置所から
東京拘置所に移送されたそうだ。

『拘置所は、留置所よりも多少
自由がきくそうだし、運動も出来る。
市村くんも、留置所よりは快適に
過ごせるんじゃないかな。
ただ、留置所は弁護士との面会に限り
時間制限がないけど、拘置所では
30分に制限されるらしいんだ。
市村くんは最近やっと、弁護士との
会話にも応じるようになってきたから
弁護士は嘆いていたけどね』

社長は、順ちゃんの弁護士と
マメに連絡を取っているらしい。

『市村の両親は、今どうしてんの?』
ユウキくんが、社長に聞いた。
社長の顔が曇る。

『お母さんが精神的に参っちゃって、
専門の病院に入院したらしいよ。
まぁ、この前面会に来た時から、
兆候はあったけどね』

私は少なからず、ショックを受けた。
入院する程、病んでしまったなんて……
なんかもう、市村家にとって、
私は疫病神なんじゃなかろうか……

意気消沈する私に、社長が言った。
『ナギサちゃんが気に病む事じゃない。
ナギサちゃんは、あくまで被害者
なんだ。ご両親もお気の毒だけど、
市村くんがナギサちゃんに
重傷負わせたのは事実なんだから』

『そうだよ、ナギサ。この前から
婆さん、おかしかったし、
ナギサが婆さんに後ろめたさを
感じる必要ない。悪いのは市村だろ』
ユウキくんも、そう言って私を慰めた。

そう言われても、簡単には割り切れない。
私は思い切って、自分なりの推測を
二人に伝えた。

『結局、今回の件で順ちゃんの
着火点になったのって、私だと
思うんですよね。全ての引鉄は、
私が順ちゃんから逃げたこと。
私が逃げたせいで、順ちゃんの
心は壊れちゃった。そして、ある意味、
私は順ちゃんを全否定してしまった。
逃げ出して、元に戻るの拒否して、
ユウキくん選んで。
順ちゃんの壊れた心じゃ、それを
受け止めきれなかった。だから、
全ての憎悪を、ユウキくんに向けた。
そんな気がしてなりません。
順ちゃんにも、ご両親にも
ユウキくんにも、罪悪感持ちます』

『それは違うよ、ナギサ。
確かに市村は、ナギサに逃げられて
ダメージ受けたと思う。
でも、市村が俺に殺意まで抱いたのは
嫉妬とプライド。着火点になったのは
俺の存在自体。だから、ナギサが
罪悪感持つのは間違ってる』

ユウキくんが、私の考えを即座に
否定した。

『そうだね。俺もユウキくんの
意見に概ね同意する。市村くんの
着火点は、ユウキくんへの嫉妬。
ナギサちゃんに逃げられるまで、
彼の人生は順風満帆だった。
そういう人間ほど、躓きに弱い。
でも、彼がナギサちゃんに対して
償おうとしてるのは、立派だと思う。
その彼の気持ちを尊重して、
示談に応じず、敢えて処罰を求めた
ナギサちゃんの決断は 間違ってないよ。
自分を責めるのは、やめた方がいい』

社長も、ユウキくんの考えを肯定した。
二人が知ってる順ちゃんは、
あの日の順ちゃんだけだ。
そして、あの日の順ちゃんを
私は覚えていない。
あの日、あの日、あの日………
あの日の順ちゃんを思い出せたら、
何か分かるような気がする。
なのに。
また酷い頭痛が、私を襲った。
耐え難い痛み。

私の異変に気付いたユウキくんが、
急いでナースコール。
看護師さんが、駆けつけてきた。
『中井さん!今すぐ痛み止めの点滴
打つからね!』
看護師さんの言葉に頷く。

痛み止めを投与してもらうと、
すぐに意識が遠のいた。


目が覚めたのは、真夜中だった。
頭痛は大分落ち着いて、気分も悪くない。
天井を眺めながら、今日の事を考える。

色々と思うところはあるが、
順ちゃんは、もう起訴されてしまった。
私が今からでも示談に応じれば
起訴の取り下げも可能らしいけど、
それを順ちゃんが望んでいるとは
思えない。
寧ろ、順ちゃんの罪悪感を増幅させて
しまうように思う。

今更ゴチャゴチャ考えても仕方ない。
ただ願うのは、あの日の順ちゃんを
思い出すこと。
順ちゃんに何があったのか知りたい。
出来る事なら、順ちゃんに会って
確かめたい。しかし、それは叶わない。
ならば、思い出すしかない。
この、言い知れぬ違和感の正体を。


今回は、ここまでです♪
またまた中途半端ですいません🙇💦
文字数との戦いです٩( 'ω' )و

byナギサ

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