2つの舟

胸が痛いです

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/11/25 01:01:18

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私はいつもの日常に戻った。

朝起きて、学校へ行き、家に帰って勉強をしたり、本を読んだり、眠ったりする。

贅沢ではないが、ジジイのいない世界は安全で、心から安心して休めた。

Dr.の手紙を読んでから、ボランティアには行っていない。

怒りにも似た、深い悲しみのような感情がどうしても消えなかったから。
Dr.の顔を見たら、きっと悔しくて泣いてしまう。

わかっていてほしかった。

私はDr.に出会ってから、精一杯生きてる事を。

実際、何もわかってもらえていなかった。

でも。

それは、私が一人で勝手に叶わない恋をしているから、願っていただけ。

理解されない、と嘆く資格もない。

この恋は、山奥の桜のように、季節が来たらひっそりと咲いて、誰にも知られずひっそりと散っていく。

このまま、おとなしく一人で同じ毎日を繰り返そう。

そうひとりごちて、目を閉じた瞬間思い出した。

以前救ってくれた優しい看護師さんとした、ボランティアの約束を。

「病院のクリスマス会、ボランティアに来てくれない?参加人数が多いから、来てくれたら助かるの。」

その時私は確か、笑顔で頷いたはずだ。
あれだけ優しくしてくれた看護師さんを悲しませる訳にはいかない。

ボランティアには参加するか。

Dr.も居るのだろうか。
他の科のDr.だったらいいのに。

明日、看護師さんに聞いてみよう。
参加者、ボランティア内容、日時。

私はため息をついて、布団に入り、横になった状態で窓の外を見つめた。

雲の隙間から輝く月の光が、十五夜の出来事を思い出させる。

もうずっとDr.に会っていない気がする。
堪えていた感情が涙になって、溢れ出した。

本当は、今すぐ会いたい。
Dr.の声を聞きたい。
Dr.の笑顔が見たい。

私はまだまだ無力な子供だ。
叶わない夢を今日も諦めきれない。

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